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謝 黎
青弓社
¥ 2,100
(2011-09-17)
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知らなかった!チャイナドレスと呼ばれるアレは、つい最近、そう、20世紀になってから作り出されたモノだって事。清王朝の頃の女子服は、体のラインはほとんど出ない、袖の広いものだった。それが、西洋との融合で、体にフィットするチャイナドレスの誕生。
これが普及するのには、女学生の力があった。女学生ナンバーワンを雑誌社が祭り上げたりとか、いつの間にか、食べ物よりも服が古いのが恥ずかしい、みたいな風潮になっていく。貧乏でも服だけは新調しようという世界。そして、仕立屋はどんどん競争して腕を上げる。舶来の西洋の布ではなく、国産=中国産の布を使った愛国服を、みたいなイデオロギーにも巻き込まれる。
結局、戦後、中華人民共和国になったら、チャイナ服はブルジョアの象徴ってんで徹底的に廃棄される。ところが、日本も含めた諸外国には中国娘=チャイナドレス という図式がしっかり出来上がっている。ようやく最近、中国のコスプレ、みたいな形で安っぽいチャイナ服が復刻しているって話だ。複雑だなあ。
というわけで、この服、すんごい政治と経済と文化とが入り交じった結果なのであった。