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    1月31日「絵はがき100年」橋爪紳也 朝日新聞社

    • 2006.01.31 Tuesday
    • 13:12
    サブタイトルは、「近代日本のビジュアル・メディア」。なるほど、確かに郵便が庶民の情報伝達の中心だった時代もあった。
     この国の絵はがきの歴史は、明治末期に私製葉書が許可されるようになってから始まる。それまでは官製葉書だけだった。官製葉書に絵はがきらしいものもあったにはあったが、以下略。
     絵はがきには時代が読み取られる。絵はがきの題材になっているものが、大変に面白い。絵だけかと思ったら、案外写真絵はがきが多いのに驚いた。当然、カラーは後で手で彩色されているというものだ。祭り、花見も面白いが、海水浴の絵はがきがまた面白い。海上相撲というイベントがあって、海の上に櫓が組まれている。力士が一人、勝利を告げている行事が一人乗っている。そして、もう一人の力士はというと、姿が無い代わりに、後方に巨大な落下時の水しぶきが上がっている。いや、これは上手い。海水浴がこの国で奨励されたのは、イギリスのように健康の面だけではない。日露戦争の大海戦で勝ちを味わった為、日本の海事に重きを置こうとする政府の思惑もあったのだ。これは盲点だった。
     もう一つの雑学が、鈴蘭灯。電気街灯の小さいモノをいくつかずらしてつけたこれは、実は日本人のアイデア。本当は道幅の狭い日本の道にあった街灯はアーチ式、と考えていたのだが、京都の葵祭の山鉾巡行に支障があるために、考えられたそうだ。だから、左右対称に設置されず、互い違いに設置され、山鉾が通りやすいようになっていた。それを日本中の商店街がマネをしたというわけ。
     絵はがきには、災害のものもあった。新聞だけでは惨状を伝えきれないとばかりに、震災の水害の颱風の被害写真がそのまま絵はがきになる。中には、現代では信じられない、黒こげの遺体そのままのものまであったらしい。それもまた立派なメディアだった。送り手側が、庶民である、という点で、所謂、ニュース発信を一般市民が選択できた手法である、とも言えると思う。
     絵はがき以外の時代の見方が判って面白かった。

    1月30日「未来のおもいで」梶尾真治 光文社文庫

    • 2006.01.30 Monday
    • 13:02
     未来と書いて、あした と読ませる。ここしばらく読んでいる、キャラメルボックスの「クロノス」つながりの梶尾氏タイムトラベル本。でも、これは実は短編なんじゃないのか?みたいな話を無理矢理単行本1冊にしているような。文字が大きい。そして感覚がやけに空いている。まあ、良いんだけどね、すぐ読めて。
     嵐の山で二人の登山者男女が出会った。男はコーヒーを淹れてやり、自分の名前が書いてあるリュックカバーを女にやった。女は手帳を忘れ男の手元に。よくある恋愛ドラマ?の始まり。ただし、彼女は2033年の、彼は2006年のニンゲンだった。
     よくあるSFの展開で、よくあるSFのハッピーエンド。ガジェット無しのタイムトラベルもの。軽く読める。が、サラマンダー殲滅の後では、物足りない。

    1月29日「大江戸えころじー事情」石川英輔 講談社

    • 2006.01.29 Sunday
    • 16:14
     というわけで、江戸シリーズ。この方は、元SF作家だったそうで、江戸を舞台にした作品を書く為に調べていったら、気が付いたらお江戸のゼロエミッションやらエコロジーやらの発想にたどり着いてしまった、という経歴の持ち主。
     泥道は天然の空調機で、ほとんどカンペキに屎尿回収が出来ていたから、川の水が素晴らしく綺麗だったとか、まあ、そうかも。
     ともかく、この方は、西洋と比べて野蛮だと言われるのに憤っている。まあ、この本を書いた頃は、そうだったろう。更に、この本を書く以前の彼の生きてきた頃は更にそうだったろう。

    1月28日「サラマンダー殲滅」梶尾真治 朝日ソノラマ

    • 2006.01.28 Saturday
    • 12:59
     で、そのロマンチストな梶尾氏の受賞作。でも、こちらは割とハード。と、思ったら、やっぱり基本的にロマンチストだ。
     惑星ヤポリスで、夫と娘と幸せな生活を送っていた主婦静香の人生は、テロリストの爆弾のせいで、ずたずたに引き裂かれてしまった。精神的に死んでしまった彼女は、精神操作を受けて、テロリストへの憎悪と復讐の為に生きる事を選んだ。しかし、念のために、実際にその組織の構成員を殺そうとすると両足と右手の自由がきかなくなる操作も受ける。
     彼女に求婚していた傲慢な契約軍人、夏目と、宇宙航行士を目指すも運の悪さでひたすら飛べない青年ラッツィオ、夏目の私設教練役、女丈夫ドゥルガー、テロリストに息子を奪われた大富豪の老人、静香が引き起こしているらしい超常現象を阻止するために派遣される捜査官と、超能力者の美少女、大富豪に仕える兄を助けようと一心の少女と、彼女の気を引きたいだけのけちなボーイフレンド、全てを奪ったテロリストと闘う為に兵器を開発する工学系の青年。
     登場人物がどれも、ともかく生きている。
     見所は、精神操作を撃ち破るための薬物の為に、どんどん記憶を喪っていく静香。なかなか哀しい。これは、「ちほう の 時代」と少し重なる。
     それはそうと、でも、そのラストは随分と、「この胸いっぱいの愛を」と重なる気がする。やっぱり、基本的にロマンチストなんだな。

    1月27日「この胸いっぱいの愛を」梶尾真治 小学館文庫

    • 2006.01.27 Friday
    • 12:58
     そして、これも実は原作「クロノス・ジョウンターの伝説」。ややこしいのだが、クロノス・ジョウンターの伝説を原作にした映画のノベライズを、原作者が書いている。ああ、ややこしい。だから、芝居「クロノス」で出てきた登場人物の名前が使い回されていて更に訳が分からなくて素敵気味。
     門司行きの飛行機に乗った、デパートの駅弁企画の青年、鉄砲玉の青年、離婚した元夫婦、盲目の老婆、そして奇怪な装置を手にしている影の薄い男。ところが、彼等は気が付いたら、1986年の門司にたどり着いている。何故?駅弁企画の青年は、大好きだった近所のお姉ちゃんに逢うため。鉄砲玉の青年は、顔も見たこともない自分を生んですぐ死んでしまった母親に会うため。元夫婦は、離婚の原因となった我が子の事故を回避させるため。盲目の老婆は、死に目に会えなかった盲導犬に一目会いに。そして、今回の事件の元となった、クロノス・ジョウンターを咄嗟に作動させてしまった研究者は、何故自分がここに来たかを知るために。
     メインは駅弁の青年の話なのだが、またこれが泣かせる。難病に罹って生きることを諦めたお姉ちゃんに生きてもらう為に、彼は走る。そして、自分自身の人生をも変える為に。
     御都合主義といえば御都合主義かもしれないけれど、ニンゲン誰しも御都合主義大好きなので、なかなか良かった。

    1月26日「タイムトラベル・ロマンス」梶尾真治 平凡社

    • 2006.01.26 Thursday
    • 12:57

     キャラメルボックスの芝居「クロノス」を見てから、大慌てで借りてきた。でも、こちらは彼のSF書評といった所。でも、好きだったのは昭和3年の葉書を見つけ出してしまったキャンプ仲間の話。どうやら、それは好きな女性についての友への告白まである。結局仲間内で届けようか、と盛り上がった所で、最年長者が、さっと火にくべてしまう。なるほど、それが最良の道だ。
     この方、定期的に甘甘なロマンスを書いてしまうらしい。まあ、判らないでもない。きっと遺伝子がロマンチストなんだろう。ちなみに、逆タイムトラベルとして、エマノンが紹介されていた。まあ、そうだな。ある意味。
    以下はメモ「夢の10セント銀貨」「百光年ハネムーン」「ある日どこかで」「奇跡の輝き」「夢の国をゆく帆船」「たんぽぽ娘」

    1月25日「おまけのこ」畠中恵 新潮社

    • 2006.01.25 Wednesday
    • 12:56
     で、これが第4巻。あの若旦那が、吉原から遊女、正しくは禿(かむろ)を身請けしようという。これは尋常ではない。この裏には何があるのかの、「ありんすこく」。長崎屋から南洋琉球産の見事な真珠11個が消えた。職人を殴り倒した犯人は。そして、真珠を守るため?に大冒険をする事になってしまう鳴家の運命は。
     このシリーズ、とにかく好きだ。考証もしっかりしているし、何しろ登場人物が怪しくて、何より、ニンゲン好きな作者が書いたんだろうなとすぐ判る

    1月24日「ねこのばば」畠中恵 新潮社

    • 2006.01.24 Tuesday
    • 12:55
     「しゃばけ」シリーズの第3巻。祖母は大妖、兄や二人は白沢と犬神という、江戸の大店の若旦那、ただし病弱。相も変わらず彼の回りには事件が。
     今回好きだったのが、「花かんざし」とタイトルロールの「ねこのばば」。若旦那がひょんな事から拾ってしまった迷子、しかしどうやら曰く付きの迷子らしい。帰ったら殺される、と言う。ねこのばばは、猫又になりかけている猫が妖怪祓い専門の寺に連れて行かれたので、何とか助けようという妖怪達+若旦那の話。妖怪祓いの坊主がまた良い味を出している。

    1月23日「お江戸風流さんぽ道」杉浦日向子 世界文化社

    • 2006.01.23 Monday
    • 12:54
     というわけで、またもや江戸シリーズ。行事・娯楽・暮らし・町の4章で構成。杉浦氏が凄いなあと思うのは、ともかくその深さ。江戸の町では、舗装が為されていなかったが、それは必要が無かったから。何しろ基本的に皆歩きだ。運輸は基本的に水運。走るという事が文化的に有り得ない。表通りでは、道商売禁止は勿論の事、歌を歌って歩く事すら禁止。きちんきちんと歩いていく。以下はメモ
    ・染の里二葉苑・ボタンの博物館・田中千代学園民族衣装館・消防博物館・本所防災館・川の資料館

    1月22日「小さなソフィーとのっぽのパタパタ」エルス・ペルフロム 徳間書店

    • 2006.01.22 Sunday
    • 13:49
     知人が貸してくれた児童文学。だが!納得いかねえ!
     主人公は病気で長い間寝たきりのソフィ。ある夜、目が覚めると、人形達が動き出してお芝居を始めようとしている。そこに、飼い猫が「人生で何が手にはいるか」をテーマに芝居をしようと言い出す。登場人物として、思わず立候補するソフィ。のっぽの人形パタパタと共に、物語世界に入り込み、3人の冒険が始まる…。
     まあ、ネタバレをすると、全ては死の熱に浮かされて見た少女の最後の夢なわけだが、納得いかねえ!児童向けだから、主人公が死なないというのは変だが、にしても、死んだ少女が最後にシアワセそうに旅立っていく、てのは、納得いかねえ!  と、吠えるだけ吠えておこう。

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    2005年9月8日参照

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