全3巻の内のラスト。世界で一番性格の悪い主人公ナサニエルと、世界で一番口の悪い主人公バーティミアスと、そして新たに加わった真っ直ぐなレジスタンス少女キティの話。舞台は魔法が罷り通っている世界、大英帝国では魔術師と一般人という二つの階層にきっぱり分離している。
3巻では、こき使われたバーティミアスが疲弊して出てくる。ナサニエルの性格は更に悪くなっている。一方、生き残って大英帝国に残ったキティは、何と魔法使いの助手に潜り込み、バーティミアスを召喚する。彼女は、何故、バーティミアスがいつもエジプトの少年の姿をしているのかを知りたがったのだ…
最後になって、極悪ナサニエルがようやく目が覚めて、キティと良い感じになったかな、ようやく本当の力を出したかな、って所で、おいおい!な終わり方になってしまった。ジドウブンガクじゃあ、アリエナイ。しかも、キティの方も、え、じゃあ、元に戻らんのかい!みたいな終わり方で、これまた、ジドウブンガクじゃあ、アリエナイ。てか、それを一番思っているのはバーティミアスなんだろう。こんな終わり方でいいのか!?みたいなラスト。相当、切ない。それを、世界一口の悪い主人公バーティミアスだから、余計切ない。ぶち切ったような、断ち切られたような終わり方。
まあ、ジドウブンガクだから、全てが大円団に終わらねば、っつうのはアメリカ帝国主義的な(今考えた理屈なので、アメリカ帝国主義者の方、ごめんなさい)発想だろうから、まあ、そこはそれ。
取り敢えず、名作だったと思う。
問題は、物理的に重たかったという点だが。くそ、腕力ついちまうじゃねえか。