船の科学館のムック本なので、アマゾンでは取り扱われておりません。
江戸時代に、天下の台所大阪から、大消費地江戸までの運輸を引き受けていたのが、菱垣廻船、樽廻船。ちなみに、北前船は、北海道、東北地方から大阪まで、昆布とか運んでいた。
菱垣廻船は、菱形の模様が船体につけられているから、菱垣廻船。でも、こいつはちょいと遅い。酒なんかは、悪くなっちまう。更に、沈没を防ぐために積荷を投げ捨てる時に、樽の酒とかは一番船底に積まれているから、無事に到着するのに、損害は一律に割って負担するので、酒屋にとっては、損だ、ってんで、樽廻船が興隆してきた。こいつは、速い。しかも、樽中心で多く運べる。そうなると、速く運べた方が商品価値が上がるのは、実は酒以外もそう。なので、みんな樽廻船に頼んじまう。すると、菱垣廻船は、船底で重り代わりになる重たい荷物である樽が不足して、成り立たなくなっちまう。ってえわけで、幕末には、船数的には、圧倒的に樽廻船が何十倍も存在していたわけだ。ただし、菱垣廻船も、大型化って点では、樽廻船に勝る。
後は、キールが無いとか、帆もわざと切れ目があって、強風から破れを防いでいるとか、だいたい14人で航行していたとか、江戸から大阪への帰りは積荷は何もなしで帰るので、バラストとして、石とか入れていたんだとか。へーほー。
いやいや、なかなか面白かった。